【完】チーズ男とあたりめ女
親父は煙草を我慢してる俺の横で遠慮なく吸う。

禁煙を始めたわけではないが、実家ではあまり煙草を吸いたくない。

母親が煩いって言うのもあるし、建て直して5年に満たないこの家を、ヤニで汚したくないんだ。

親父には絶対、そんな感覚はないんだろうな。

―――パソコンをジーッと見つめてると、ドアをノックして、母親が入って来た。



「翔ともう1人、お客様がお待ちよ。いらっしゃい」



軽く睨まれ、俺は内心“は?”と、思いつつ、席を立った。

リビングに行くと、これまた怒り顔の翔と、スーツを着た小虎さんが居た。
< 399 / 504 >

この作品をシェア

pagetop