【完】チーズ男とあたりめ女
「…何してんだ?」



雑誌を投げ付けた音で起きたのだろうか。

私は後ろに立ってた悠に、「ここ訴えて!!」と、紙袋の出版社の名前を見せながら叫んだ。

悠は無言で落ちた雑誌を拾い、「あーあ」と呟いた。



「親父の秘書に頼んどくから、あんまカリカリするな」



「しちゃうよ!私は悠一筋だもん!!」



「わかってるから」



2人でソファーに座ると、私の怒りを沈めようと、悠が頭を撫でる。

もう片方の手は、私の手を握ってくれた。



「私たちだけじゃなくて…翔さんと麗さんにも、迷惑掛けちゃった…」



「あの2人なら大丈夫だ」



目が合うと、そっと唇が重なった。
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