【長編】雨とチョコレート
「俺らも帰るか」
自分の鞄を持って、しのの席まであるく。
しのはうんと笑って、俺の左側に立った。
廊下、階段、げた箱、昇降口、…校門。
俺の左手はずっと二人の間をぶらぶらしていて、しのの両手はずっとバッグを持っていた。
なんかきっかけさえあれば。
そんなふうにもやもやもやもや考えて、ちらっとしのを見る。
「れいくんさ、」
俺の視線に気づいてか、しのがつぶやく。
「わたしのどこがよかったの?」