【長編】雨とチョコレート
「まぁ、さ、お前はしのちゃんのことだけ考えとけよ」
神崎の優しさに、思わず涙腺がゆるむ。
なんだかんだ言っても親友なんだな……。
「悪いな…気遣わせたような感じで…」
「う~ん、まぁ、半分八つ当たりだけどな」
「八つ…当たり…?」
「だってよぉ、あれからずっと、あきの機嫌が悪いのなんのって…」
しのちゃんも気まずそうだったし。
うすい唇を突き出して文句をたれる。
そんな風にして、いろいろ申し訳ない気分になったまま教室のドアをあける。