DAYS~もう一つの物語~


人生を棒に振るったとは


まさにこの事に違いないだろう。



好きでもない相手に


体だけ買われた人形のような物だから。



それ以来



両親と疎遠になってしまった。



私が、会いたくないのだ。


両親だって私が来たところで


そのことを引きずって変な空気になって


沈黙が続くことは間違いない。



ますます来なきゃ良かったと真の底から思うだろうし


普通の話題すらまだ出てこないのではないだろうか。


会ったところで


結局気まずくなる一方だ。



家族崩壊という文字まで頭に過ぎってきた。



結婚って


こんな簡単に出来ちゃっていいのだろうか。


たった紙切れ一枚で将来の伴侶を決めちゃっていいのだろうか。


名前とハンコを押すだけで


何でも決まってしまう世の中っておかしい。


狂ってるし、馬鹿げてる。


子供の頃に思い描いていた未来はこんなんじゃない。


良くは言わないから


せめて普通の恋愛をして普通の幸せな家庭を築くことだった。


果たして


それは今の状況で実現出来るだろうか。


問い掛けたところで、限りなく0に等しい。


「こんなんじゃなかったのになぁ…」


ただ漠然と発した言葉は


風に流されていく。


どこまで行くのか


終わりがあるのか


当てのない旅をいつまで続けるのか


私と一緒に彷徨い続けるのだろう。



私は、今の旦那をいずれは愛する事が出来るのだろうか。





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