DAYS~もう一つの物語~
*夏の幻*

転校生




教室に戻りガラッとドアを開けた。



皆の視線を浴びる。


いつもの事だが


この教室のやつらは暇人か?



私が教室に入ろうとすると


毎回このパターンを繰り返す。


私はいつものように


何事もなかったかのように席に着いた。


黒板の上の時計に目をやると


休み時間はあと一分で終わりのようだ。


早々と机の上に教科書を出して今日のとこを広げた。


教室中がざわついている。


相変わらず


コソコソ話が繰り広げられる。



キーン、コーン、カーン、コーン。


「やべっ!」


拍車をかけるように


四時間目を知らせるチャイムが鳴り


皆が定位置についた。



私の席は窓側の後ろから二番目の席。


本当は一番後ろの方がしっくり来るのだが


席替えで決まってしまったのだから仕方がない。


前よりはいいが


居心地は、良くも悪くもない。



先生の声が止まり


はらりと次のページをめくる。


ページをめくると同時に、微かに私の顔も右に動いた。

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