扉を開けて
木芽の瞼が少しずつ下がっていく
「ねえ、誉、大好きだよ。弟が出来たみたいだった。楽しかった、本当に、ありがとう。…隠し事して近づいて本当にごめん。」
木芽の手が冷たくなってきた
それとは反対に僕の心臓は高鳴る
呼吸が苦しい
木芽は目を閉じた
「でも、本当にね、あり、がと…う…。」
急に消えた力に対応出来ず、木芽の手が滑り落ちた
とさっという軽い音がベッドと木芽の手により発せられた
「…こ、のめ?」
小さく呼びかけたが、木芽の瞳は開かない
呼吸が苦しい
今まで普通にしていたはずなのに、やり方が分からない
「このめ。」
あまりにそっと眠ったようで、もう一度呼び掛けた
目を開いて、いつものだらしない笑みを浮かべるのを期待した。