氷狼―コオリオオカミ―を探して
海へ続く道

『迷いの森』を抜け、あたしとチェイサーは海沿いの崖の上の道へと出た。

くねくねと曲がる細い舗装道路で、冬の間は車は通行止めになっている。

低いガードレールの向こうには冬の海が広がっていて、潮の香りと荒れる波の音がした。


「みんなはどこ?」

あたしはチェイサーを見た。


「下だな」

チェイサーは低いガードレールに手をかけて崖の下を覗き込んだ。


強い風がチェイサーの白い髪をなびかせている。

あたしも崖の下を覗き込んだ。

ガードレールの向こうは険しい崖になっていて、ずっと下の方に砂浜と岩場があるようだ。


あそこ?

暗くて下がよく見えない


「どこから下りればいいの?」


「来い」


チェイサーはあたしの手をつかんで海岸沿いの道を少し先まで走った。
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