氷狼―コオリオオカミ―を探して
翔くんがふっと顔を上げて、あたしの部屋の窓を見上げた。

まるであたしがいることを知っているように、こっちを見ている。


ヤバイ!


あたしは慌てて床に座り込んだ。


馬鹿みたい

何隠れてんだろ


間もなくケータイがなった。


――何隠れてんの?


あたしも自分にそう尋ねたところよ


「隠れてなんかいない」


――出て来いよ。散歩につき合え。待ってるから


返事しないうちに切られた。


仕方ない、行ってくるか。
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