氷狼―コオリオオカミ―を探して
「下りるぞ、チビ。馬に乗って森は行けぬ。枝がひっかかるからな」

チェイサーが言った。

「俺の腕につかまって下りろ――ゆっくりでいい」


あたしが不様にソロソロと馬から下りた後、チェイサーがヒラリと下りる。


「もう一本松明を渡しておこう、トムボーイ」

イタチが棒を差し出す。

「矢筒に入れておけ。種火はまだ持っているな?」


「持ってる」


「近づかれたら使え。距離がある時は弓の方が効果がある」


あたしはうなずいて松明を矢筒に入れた。


二手に分かれたイタチと狐がそれぞれ違う方向に走って行った。


「来い。俺達は足跡の通りに行くぞ」


「あの馬はどうするの?


「あいつなら勝手に後を追って来る」

チェイサーがあたしに手を差し延べた。

「おいで、チビ。勇敢なる俺のお転婆娘」

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