もっと早く‥
vol.9
「そろそろ帰るか。」


「だね。」






陽も落ち、辺りは暗い。







俺は夏音の家に向かった。






「幸くんちもこっちの方なの?」


「え?」


「幸くんち行くって言ったらイイって言ったじゃない。」


「‥。」





もしかしてあんときの‥?





あぁ‥聞いてなかった俺が悪いか‥。






俺は来た道をUターンし、自分の家に向かった。






「…。」


「…。」






それから無言のまま帰宅した。







紗夢が亡くなってから女を入れたのは初めてだ。
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