恋の魔法
新しい私




全力疾走で学校の門をくぐり抜けると



「誰、あの子」

「可愛いなぁ」

「うちの学校にあんな子いたっけ?」

「転校生か?」



ひそひそと生徒の声が聞こえてきた。



ん?

そんな可愛い転校生なのかな…

どこだろう…

そう思いながら
ぐるぐる周りを見ていると


「おい!」


聞き慣れた声が聞こえてきて振り向くと、ドアップで今にもキスが出来そうな距離に蘭がいた。


「ひゃっ…」



「なんて声出してんだ。キス…されるとでも思ったか?」



「っ…んなわけないでしょ!」


本当にムカつく奴だ…


「まぁ、お前にキスするとかありえないけどな!お前見てても女を感じねーし」



ズキッ…

あれ?

なんだろう…
胸に痛みを感じた。



「…っ逆に意識されても困るわよ。私は玲くん一筋なんだからっ」


そう自分に言い聞かせるかのように蘭に言い放った。






< 33 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop