ともだちってなんだろう



言ってはいけない言葉だという事は
もちろん理解していた。

けれど、あたしの口から出た言葉は
あたしたちの日常を
大きく、大きく変えてしまったのかもしれない。




あたしは机に歩み寄った。
クラスのみんなが不思議そうな表情で
あたしを見ているのがわかる。





「…如月さんも、一緒に行こうよ」







その瞬間、クラスの空気が凍りついたのを
感じてしまった。

痛い視線、よりもあたしは
何人かが見せた楽しそうな表情に目が行った。



「如月さん、どう?行かない?」




あたしは周りの視線を気にせず続けた。
どうして、
あんなに気を付けていたのに
こんなことをしてしまったのかは
わからない。






「……じゃあ、行く」




如月さんがあのきれいな声で言葉を発し、
コクンと頷くのを見つめた。



愛美があたしに何か言おうとしている。




「真由っ…!ちょっと…!」







それは、チャイムの音で
かき消されてしまった。



「ほら、みんな。どうしたの。
席につきなさい!」



しぶしぶ席に戻りながら






これが正解なのか

考えていた。


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