とりあえず王道に現実主義者を混ぜてみよう



ムカつくムカつくムカつく。

私の頭の中は「ムカつく」の文字でいっぱいになってる。


つーか、お前も由宇に謝れよ、みたいな。



ごほんっ。
言葉遣いが悪くなったわ。


とりあえず
もう話したくないから踵をかえして席へと戻る。

もちろん由宇の手を引いて。


「晴菜ありがとう晴菜格好いい惚れた結婚して!」

「ゴメンナサイ」

「即答!でもめげない!」


いや、同性愛とか認められてないから、この国では。

席について弁当を広げて、適当にだべる。


「とにかく、あの声のデカさ異常!しかも日本史に触れてない!セクハラについてとかマジどうでもいい!と、あたしは思う!」

「そうね、同感。難聴の原因になるわ、あの教師」


受験に失敗したらどうしてくれるのよ。
とかなんとか話し合っていると


ガタンと
椅子を引きずる音が両隣からした。

嫌 な 予 感 。


そろりと横に視線を向けると、


「……」

「………」


え、は、意味わかんない。

隣にいたのは、ムスッとして、眉間にシワを寄せて、不機嫌さを如実に表している社会不適合者。

私はバッと逆隣を見た。


「ごめん晴菜、由宇。海翔に謝らせようと思って…。ついでに仲良くなってほしくてさ!」

「…………水木さん」


小さな親切、大きなお世話!

そんな気遣いはいらないわよ!



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