記憶 ―流星の刻印―


「……氷上の石碑。昔から、それは在ったんだよ…。ただ、この国の限られた人間しか、その内容は知らない…」

ババ様は、
大きな溜め息を漏らした。

押し黙るババ様に変わって、朱理が口を挟む。


「…そうですね。のうのうと暮らす一般人は知らないですね。四獣を宿す家系と、それを護る役目を負った龍の巫女の様な家系。太磨さんの様な、その家臣。そして、花梨さんの様な限られた国の関係者…。」

「……あんた黙ってなさい、青二才。」

「はいはい…。怖いですね~?龍湖の里の女性は、皆さん怖い。流石、というべきか。龍神が女性にしか宿らないのは、そういう理由ですかね…?」

「……黙りなさい。」

花梨さんの強い威圧を受けて、朱理は黙った。

朱理や別の四獣を宿す人たちは、刻印を受け継ぐ資格や方法が違うのかもしれない。

龍神の宿り主は代々、
女性が娘を産む。

じゃあ…、
男の朱理や、先代の王は…?
男の人が子供を産める訳がないものね…?


「――その話は、後にしよう。氷上の石碑の話に戻るよ…。いいかい?揚羽…」

「――…あぁっ、えぇ…」

頭が…
追いつかなくなってきたわ。

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