村雨紘一の場合【腐女子も恋していいですか?】番外編
理子さんと俺の関係
「でね・・・・・・、もう、紘くん聞いてる?」
「ああ、ごめんごめん、理子さん」



「今日は何だか上の空ね」
「そんなこと無いよ。で、何の話だっけ?」



 正直、理子さんの話しは聞いて無かった。というか、頭に入って来なかった。



 理子さんは、他の女たちとは違って、何度もこうして会っている。


 他の女たちとは違い、大人の理子さんは、うざったい事は一切言わない。
 俺が全然話さなくても、それについて何も言わないし、責めてこない。
 だからこうして何度会っても、気楽でいられる。



 他の女だったらこうはいかない。
 何で何も話さないのか、一緒にいて楽しいのか、私のことが好きかと、俺を責めてくる。


 鬱陶しいことは面倒だ。だから、そうならないように、女との関係は一度きりにしている。


 何故話さないのかって? 理由は一つ。お前と話してもつまらねーからだよ。
 そんな言葉さえ、言うのが鬱陶しい。
 
 だから、女が話しかけてこようが、しつこく迫られようが、否定も肯定も一切言わない。

 
 修太に言わせると、俺のその態度は、女にとって都合よく解釈させてしまうらしい。
 つき合う気がないなら、きちんと振れ。希望を持たせるな。そう忠告されるが、振る行為が面倒じゃねーか。

 

 だいたい、俺が女と恋愛関係でつきあう? マジありえねー。

 
 男女の関係なんて体だけで充分だ。好き合って一緒に暮らしたって、結局お互いを見ない冷めた空気が漂うだけ。
 何がよくて緒にいるのかわからねー。
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