村雨紘一の場合【腐女子も恋していいですか?】番外編
聖と出会って
 それからの俺は、受験勉強一色になった。


 そして、両親への不信感をなくした俺は、まずは「おはよう」の挨拶から始めた。



 俺の一言を聞いて、両親の目は涙に滲んでいた。
 きっと、素直な心を待てなかった昔の俺だったら、この小さな両親の表情の変化に気が付かなかっただろう。



 振るえる声で「おはよう」と返す両親に、今度からは、もっと積極的に俺から話しかけよう。


 そう心に誓った。



 聖に出会ったおかげで、俺は本当の自分を取り戻せたんだ―――。
< 34 / 35 >

この作品をシェア

pagetop