輝り道‐ヒカリミチ‐

彼女の心情



琴理は今日
泊まりに来なかった

でも
それは
時々あること。

だから
気づかなかったんだ

琴理の
いつもと違った
と、言うことに。



最近、
いじめがなくなってきていた

“飽きたんだよね”

琴理とは
そんな風に話していた

でも
理由は違ったんだ。

想像もつかなかった

――――――――

その夜中に
何度も
電話がかかって来ていた

でも
私は知らずに寝ていた


朝起きると
電話が
鳴っていることに
気付いた


なんとなく
嫌な予感がした

「…はい、もしもし?」
『…奈々緒ちゃん?琴理の母やけど!』
「どうしました?」
『今すぐ、琴理に会いに来て。総合病院の―――』

耳を疑った
琴理がICU室に居るって?

冗談だよね?!


だって
どうして?
あり得ないよ…!

昨日まで
一緒にいたのに

琴理が
植物状態だなんて…




ぼーって
している頭を
なんとか支えて
総合病院へと急ぐ


「おばちゃん!」

「っ!奈々緒ちゃん!琴理が、琴理が…っ!」


琴理のお母さんが見ている方へ
目をやると

ベッドにいるのは
確かに
傷だらけの
琴理だったのだ…


「琴理?何でこんな所にいるのよ!目を覚ましてよ!
せっかく仲直りできたのに
こんなのってないよ…!」


「奈々緒ちゃん、ひさしぶりだね。琴理の父だ、話を聞かせてくれるかい?」

私は
俯くように頷いた。

「まず、落ち着いてほしい」

「…」


「奈々緒ちゃんは、心当たりはあるんかな?」

「…はい」

「誰がやったのか分かるかい?」
「…はい、…多分、…私をいじめてた人達と…関係してる、と思います…。」

「話してくれるか…?」

「…はい。私は――――」

覚えてること、全部話した

―――――――

琴理は
何もなかったように
目を瞑っている…


まだ
信じることが出来なかった

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