輝り道‐ヒカリミチ‐

初恋



入学式で木本(←校長先生。すでに呼び捨て。)の長~~~い話を聞いて私たちは教室に入った。

教室に戻るとき
何か懐かしい人が見えた。
…本田、陽樹、
私の幼なじみ。

なんでココにいるのだろう…
でも、だって、見間違えるはずがない…
私の、一番の理解者で
いつだってそばにいてくれた、
優しくて、大人で、時折見せる笑顔がとっても可愛い人。

3年近く会ってなかった、懐かしい人。

声をかけようか
迷った。
…よし、かけよう。

「陽樹?だよね?」
「…」

「え、あ、ちょっと!いきなり無視?」

陽樹だよ…ね?

陽樹らしきその人は
冷たい
冷たい目を
こっちに向けて、ため息をついた…
「…誰?」

え?今なんて?誰?だって?
なんで?

「私だよ、私。松村奈々緒!本気で覚えてないの?」
キレ気味に言った。
「は?だから、誰って言ってるだろ?お前、頭おかしいんじゃねぇの?」

本当に覚えてないみたいだった…。
3年って
こんなにも怖いことなんだ…

この時の私は
本当の理由を知らなかった…

「じゃあもういいよ…」

私は
軽く、そう放って、教室に向かった…

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