輝り道‐ヒカリミチ‐
本田陽樹と記憶喪失



駅の近くにある
コーヒーの店で
電話をすることにした。

「まずは~陽樹君家に電話してみようやっ!」
「OK♪」

―――プルルルルルル
――プルルル

『はい、もしもし?』
「あ、柚樹?私、奈々だけど…」
柚樹は
陽樹の1才下の妹で
小さい頃、3人でよく遊んでた仲。
『…奈々ちゃん、もしかして、陽樹に会ったとか?』
「同じ高校だったよ。」
『そっか…。ごめんね?』
「どういうこと?」

『…ごめん。陽樹、記憶ないんだ…。』
「え?記憶がない?どうして?」
『…陽樹は奈々ちゃんが行ったあとすぐに―――――』


陽樹は事故にあったらしい…

私に何か言いたかったことでも合ったのか
空港まで自転車で走っていた…

車がきていないと思って信号無視したら、曲がってきたトラックにぶつかって…

幸い、
怪我は思ったより小さくて
2ヶ月ぐらいで回復したが
事故のショックで
まだ思い出せてないことが多いらしい…。

柚樹は泣いていた…
私は
泣けなかった…

それは
心のどこかで
信じてなかったからだろう

柚樹との電話が終わってからも

私は
ただ、
ぼーっとしていた


「…緒っ!…奈々緒っ!」
「…あ、ごめん、琴理。」
「大丈夫?なんかあったん?」
「ちょっとだけ、考えさせて…。それと、今日はもう帰る…。琴理ありがと…」
私は
声にならないくらいの声で
琴理に言った。

琴理も何かを察したのか
それ以上は
何も聞いて来なかった…

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