誠-変わらぬ想いの果て-
「当たり前じゃない。せっかくやったのに」
「それはー。奏がー」
「まぁまぁ。可愛らしいお嬢さん、お手をどうぞ?」
「むむ」
奏が女だと分かっているあづさですらもそうされると悪い気はしない。
響の手は問答無用で掴み、そのままカフェの外へ出た。
途端に悲鳴が飛ぶ。
そんなことはとっくに分かっていた。
男は蹴散らせられど、女は怖い。
それに女・子供には優しい奏が手荒な真似ができるはずもない。
故に奏は………二人と一緒にさっさと逃げた。
「ちょっ!!奏!!待てよ!!」
「これどうすんの?」
「うわっ!!押すなっ!!」
グッドラック、皆。
両手に華。
むふふ。
いいなぁ、これ。
奏は一人、ルンルンとした気分で二人を連れ、食材売り場へと歩いていった。
遠ざかる気配に、並々ならぬ殺気が混じっているのを今だけは目をつむって。