金髪王子2

「ん、あぁ、空いてるけど……」


そのとき、ちらっと、大輔くんが私の方を見た気がした。




最近の私は、礼奈や綾音にどこかに誘われても、断ってばかりだ。


すっかり、付き合いの悪い子になってしまっている。


でも、受験するんだから、しかたないよね。


今だって、もし、プールに誘われても、断るつもり。


でも、もう今までに何度も断ってるから、そろそろ、礼奈も私には声をかけてこないかな?


断るのもイヤだけど、誘われないのも、それはそれで、寂しい。


そう思い、私はそっと席を立ち、教室を出た。

< 291 / 519 >

この作品をシェア

pagetop