金髪王子2
「明日香、ほら、冷めちゃうよ」
「あ、ありがとうございます!」
おかしな妄想を振り払い、村上先輩が勧めてくれたコーヒーを飲む。
「ほら、見てごらん、きれいだろ?」
言われて、目の前の窓ガラスの向こうを見ると、大学の構内が一望できた。
構内にたくさん植えられている木々。
その間に建つ、重厚な建物。
それらに夕陽が当たって、一面オレンジ色に染まっている。
「あ、ホントだ、きれいですね……」