金髪王子2
広い控え室の両開きのドアは、大きく開け放されていた。
演奏を終えた管弦楽部のメンバーが、ガヤガヤと荷物を片付けている様子。
そっとのぞいて、栞を探すと、栞の横に、男がひとり立っている。
男は楽しそうにしゃべってるようだが、栞は困ったような表情。
アイツが、村上先輩か?
と、そのとき、ふたりの向こう側で、不愉快そうな表情で立っている菊地と、目が合った。
ちょうどいい。
俺は、そっと手招きして、菊地だけを呼んだ。