部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
校長の言葉に体育館の雰囲気が一気に凍る。

「殺人事件の可能性が有ると言う事です」

殺人事件と言う言葉で、体育館の雰囲気が更に重い物に成る。校長の話によると、理事長は、理事長室で倒れており、胸から大量に出血しており、その近くで刃渡り20センチのナイフが発見されたそうだ。

「残念ながら犯人は逃走した様で今の処見つかっておりません。そして、まことに申し上げにくい事なのですが……ここに集まった皆さん全員が 『容疑者』 と言う事に成ります」

再び体育館内がざわめく。皆が口々に、自分は知らないと言う事を口にしている様だった。しかし、亜矢子は違った。眉間の皺は更に深くなり、口の端っこを釣り上げて、にやりと嗤いながら呟いた。



「――殺人事件……ねぇ…」



そして、自分の胸の前で大きく腕を組み仁王立ち。その様子を見た琢磨が、間髪いれずに突っ込んで来る。
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