部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
「――なかなかの洞察力だね。で、キレ易いとか、そういう事は無かったかね?」

「無いわ、極めて温厚。恋人にするなら、お勧めするわよ」

「――遠慮しとこう、カミさんの逆鱗に触れそうだ。それより最近変わった様子は無かったかな?」

「担任じゃ無いから毎日の変化は分らないわ……後はなに?」

亜矢子はそう言って再び腕を組んで前原の前に仁王立ちした。

「ありがとう、私からはそれだけだ」

それを聞いて今度は亜矢子がにやりと嗤う。

「じゃぁ今度は私の言う事を聞いて貰うわ」

前原は、どうぞと手を差し出して見せた。それを見た亜矢子は理事長室を指差して迷う事無くこう言った。
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