ヌイグルミは投げるものではありません
「なんか、女みたいな顔だな」

「よく言われる。ってことはさ、絶対に顔が良いってことでしょ」

「すごいポジティブ。憧れる。嘘だけど」


嘘かいな! って、おバカな葵なら言いそうだけど、私はツッコミキャラになりたくないから嫌だ。


「んじゃ、ここが職員室だから……」

「ジル」

「ん?」

「ありがとう。すごい助かった。僕もサボりたい時があるかもだから……ヨロシク」

「……電話、ある?」

「ん? あるよ」


ポケットから携帯電話を出すと、奪われて勝手に操作をしている。
怒るよりも呆れてしまって言葉が出ない。


「終わり。これなら連絡できる」

「んじゃ、とりあえず同じクラスだったら報告する」

「ああ……。またな、観月」

「じゃねっ、ジル」


ポケットに手を突っ込んで、ジルは屋上への階段へと向かった。
そして、ドアをノックして職員室に入った。

多数の職員にはふさわしくないぎゅうぎゅう詰めにされた一室に、暑苦しさを覚えた。
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