天使の羽根

 そう思うも束の間、突然の息苦しさにゴボゴボと泡立つ水中、その渦に身を預け、締め付けるような窮屈さが穂高たちを襲っていた。

 それでも穂高は、あずみの手を放す事なく、しっかりと握っている。

 もがく水中で、穂高は片目を開け、あずみの姿を微かだが確認する。

 握った手を更にギュッと締めると、同じように返ってくる力があった。


――あずみ!


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