天使の羽根

「俺たちだってこの状況を整理しなくちゃな。ここに居てもヤバそうだし、ついていくしかないよ。あの、智子って人がどうやって俺たちの時代に来たのか解れば、帰れるかもしれないしな」

「……うん」

 握られた手を、あずみは強く握り返し頷いた。

 五月と言った智子の言葉通り、まだ肌寒さが残る夜。

 見上げる満月だけがひっそりと照らす道を、ただ歩いた。


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