天使の羽根

 智子の首元にきらりと光る物を見つけると、穂高はそっと、それを手に取って見た。

「これは……」

 指先に触れたそれは、紛れもなく穂高があずみの為に買った『天使の羽根』だった。

 現代に置き忘れ、渡せなかったはずのペンダントを、目の前のあずみが持っているはずがなかった。何故なら、自分の手の中にも同じものがあるからだ。

 一本のチェーンに飾られた天使の羽根は、まだ輝きを失わずに重なっている。

 穂高は、そっとペンダントを裏返して見た。

 そこには、やはり『hodaka』『azumi』と一枚ずつに同じ文字が刻まれている。

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