天使の羽根
「あずみは、俺が幸せになる事を願ってた……だから、過去へ行った事も、自分が誰なのかも言いたがらなかったのかもしれない……でも」
「でも?」
掠れた声を高生が呟く。
穂高は、それでも真っ直ぐに、自分の進む道を見つめるように、前だけを見ている。
「道彦って人なら、きっと伝えると思うんだ。ここにある未来で俺が……迷わないように導くために、さ」
「……穂高くん」
高生はそう呟いて、強く瞼を閉じた。そして、徐に開けると、ようやく穂高を見つめ返した。