天使の羽根

Act.3

     ◇


「高志、ちょっといいか?」

 高生は、ノックをしないまま高志の部屋へと足を踏み入れた。

「何だよっ」

 高志は「ノックくらいしろよ」と不貞腐れた態度でベッドに寝転がり、背中を向ける。

「どうせノックしたって入れてくれないだろ」

 高生は嫌味を聞かせながらも、高志の背後に座った。

< 540 / 562 >

この作品をシェア

pagetop