甘く、優しく、ときには苦く


「先生、仕事終わったんですか?」


遊んでるようにしか見えない。


「終わったよ♪
ほれほれ。ほれほれ。」


ほくそ笑みながら、次々と患者さんのカルテを俺に見せびらかしてくる。



こういうところが、一番ムカつくんだ。


遊んでるように見えて、絶対仕事は一番に終わらせる。

こんなどうしようもない人なのに、大学時代は常に主席。

患者さんからの人望も厚く、
30歳という若さで1診にときどき入っている。


だから、いくら私生活が最低でも誰も何も言わない。

やることは、やってるから。
しかも完璧に。



くそ。はらましのくせに。




俺は、この人と正反対で
真面目にコツコツやらないと仕事を片付けることができない。


不公平だ・・・・







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