九我刑事の事件ノート【殺意のホテル】



「兄さん。
さっきから何考えてんの」


「んー?」



揃った二枚のカードを山に捨てながら。

妹にはわかる、さっきの一条と三枝のやり取りが気になっているということを。



警察だと言ってゆすられている側たる一条までもが気まずそうに彼方を避けた。


写真とやらはそれほど重要かつ、警察に知られたくないこと。


若者にはわからねぇと上司に一喝されるものの、やはり刑事のカンとは存在するものらしい。




「なんか嫌ーな予感がするんだよ」


「…気のせいでしょ。
あんまり難しい顔してるのやめてよね。」


「お前みたいに四六時中間抜け顔を晒してるよりマシだろ。」


「失礼な!」



「本当のことを………お」



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