アダルトチルドレン
「3ヶ月しかないなら、もっと早くいってよ」

そう思いながら、あと3ヶ月何が出来るかな?と思った…

今回の入院では付き添いが必要だったので、お祖母ちゃんが病院に付き添い、母親と杏里は仕事に出て、弟は通学していた…

たまたま、予定のあった休みに珍しくあたしから、弟に、
「パパのお見舞いに行こう…」といった。

個室の部屋を開いた瞬間にあたしの目に入ってきた父親は別人だった…


お祖父ちゃんのように痩せこけて、立ち上がる事も出来ず、肝機能が悪くなり、アンモニアが頭に上がり、言ってる事もよくわからなかった…

杏里が、
「私ってわかる?」って聞くと、

「わかるけど、同じような人が沢山いる」と少しわけの解らぬ答えが返ってきた…

ベットのパイプの端を思い切り真面目な顔で踏んで、
「車が動かない…」といっている父親をみて、あたしは堪えられず、弟に悟られないように病室をでた…

けど、何故かわからないけど、もう会えないような気がして、無理やりパパを起こして、弟と杏里と父親三人で写真を撮った…

この数日で何がそんなに変わってしまったんだろー?

理解も出来ず受け止められないまま、帰宅した…

帰宅をしたら丁度、休憩中の母親が家に帰っていた…

母親に、「杏里の事もあまりわからないみたい…」
と話していたら、
家の電話が鳴った…

病院にいるお祖母ちゃんからだった…
「杏里達が帰宅してから落ち着かなくて様子がおかしいから来て…」

急いで母親と弟と病院に戻った…

歩けるはずもないのに、歩くといいだしたり、確かに落ち着きがなかった…


皆で父親を囲み、話していると夕食の時間になった…

夕食が運ばれてきて、母親が「今日は私が付き添うようかな…」 なんていいながらスプーンでご飯を食べさせていた…。


今でも鮮明に覚えている…丁度、母親が細かく切った焼売を食べさせてる時…

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