boyshな女の子




いつものことだが、しくじったと分かった時にはもう遅い。




穏やかな顔を急に意地悪そうなそれに変えるとだんだんと近付いてくる。




「わざわざ教えてやった俺に対してそんな態度でいるとか…お前は恩を仇で返すタイプなのか……そうなのか…ふーん」


「ち、違うし!俺はちゃんと感謝して、そいつの為に一肌脱ぐタイプだ!!」




偉そうな視線に俺が耐えきれるはずもなく、ぶっちゃけた………って何、自分からキモイこと言っちゃってんの俺!?




「へぇ……?だったら俺にも誠意見せてくれるんだよなぁ??」


「あぁ!!当たり前だ、二重人か………あ」




そこまで言ってようやく気が付く。




「じゃぁ放課後、屋上で待ってろよ?」




………言質を取られたということに…。




勝ち誇った視線を向けてくる水城はそのまま歩いて招集所に向かう。


俺はイライラしながらも、その後を追って走り出した。



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