boyshな女の子




俺はあー、と言いながら頭を叩く。



「耳になんか入ってるなー」

「聞き間違いじゃないんだけど」



そう言って、いつの間にかブランコから立ち上がっていた水城は、俺の腕を掴む。



だだだだだだって、


俺が可愛い?

かわいい?

What's kawaii?



カワイイッテナンデスカ?



「コラ。 フリーズすんな」

そう言う水城は笑いをこらえているらしく、肩が小刻みに揺れている。



「やっぱりお前は面白いな」



その言葉を頭ん中で反芻する。

そうして気付く新事実。



「はっ! もしかして俺のことからかってる!?」

「からかってない」



——新事実とはならなかった。



「全部言ってやろうか? ———顔も美人の部類に入ると思うし、色白だし、全体的に細いし、美脚だし、胸でかいし……」

「もういいから!」



それ以上は恥ずかしくて聞けるわけない。




< 445 / 470 >

この作品をシェア

pagetop