Love&CocktailⅡ

「乃愛。話して?ちゃんと話してくれなきゃ助けられるもんも助けられない」




優人さんは優しくあたしの頬を撫でる。




「……っ…」




気付けば、あたしの頬には涙が伝っていた。




瞳からポロポロと溢れ出る涙。




優人さんは優しく目を細めると、フワッとあたしを抱き締めた。




「乃愛……話せる?」




「……っ…う、ん…」




あたしは嗚咽混じりの声で必死に言った。




「……っ…優人、さん…」




「ん?」




「ちゃ、んと…話すから…。今は…抱き締めて……?」




あたしはそう言うと、優人さんの背中にしがみ付いた。




すると優人さんはフッと微笑んで



「いいよ。いくらでも抱き締めててやるよ」




そう言って、あたしが泣き止むまで抱き締めていてくれた……。




< 30 / 114 >

この作品をシェア

pagetop