月夜の天使
満月がぽっかりと浮かんでいる。

隣には愛しい人の息遣い。

夢みたいな現実。

ミズキ・・隣にいるのは、ほんとうにあなたなの?

「ミズキ、どこへ行くの?」

「・・・・」

ミズキはゆっくりと振り返る。



「僕達が生まれた場所」



ミズキの天使の笑顔が星のように煌いた。


ほんとは、どこだっていい。

ミズキと一緒なら、カナンはどこでも行く・・・!


「カナン!どこだ!」

トオヤは夜の街をカナンを探して走り回る。

「今夜は満月なんだぁ~。綺麗だね!」

女性のはしゃぐ声が聞こえてくる。

満月・・・・。

月・・・。

俺達の生まれた場所。

トオヤはハッとした表情で月を見上げる。

「カナン・・・そこにいるのか!?」


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