月夜の天使
瑞樹の体が詩苑と共に、ゴーゴーと音を立て青の炎に包まれていく!

炎の中で、瑞樹は、月の光を一身に浴び微笑んだ。

天使の微笑みに、月も微笑みで答える。

『汝の魂、燃え尽きても、永遠に我が胸元に眠らん』

「カナン、君の永遠の愛がある限り、僕の魂も永遠だ」

それが・・・カナンが瑞樹の笑顔を見た最後だった。

瑞樹は詩苑の後ろで、安心したような微笑を浮かべ、ゆっくりと体を後ろへ倒していく。

「瑞樹!!」
カナンは十夜と凛音とともに瑞樹に走り寄る。

一歩遅く、瑞樹は詩苑の体と一緒に、崖の下へと落ちていく。

天使の笑みを浮かべながら・・・。

一瞬、振り返った瑞樹の背中に、真っ白な翼が・・・見えた。

瑞樹の姿が徐々に小さくなり、海へと飲みこまれていく。

その笑顔も。

その翼も。

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