俺達にはオーナーがいる
「…拗ねたかな?」

「唯さんがあんな言い方するからですよ。」

「…だったら中に入れんの?無理だろ?」


意地悪そうに、笑もせずに立に言う唯。
そんな唯の態度が冴にだけ向けられている様で…


「…まあ…そうですけど…」


立もそれ以上言葉が出なかった。




冴は唯にあしらわれて凹みながらキッチンへ…。
冷蔵庫からジュースを取ると、リビングに広がる食べ終わっているピザの箱が目の付いた。


『2人で食べたんだ…片付けもしないで…。連さんにバレて2人とも怒られればいい!!』


そう思いながらも、仲間はずれにされ、する事もなく結局それを片付けて自分の部屋に帰った。

食事は連がいつも用意するので、あまり間食(特にファーストフード・ジャンクフードなどを取らせてくれない連なので、家で食べたとわかればこっ酷く怒られる。(冴・立経験済み)


「立は甘やかされてる!!
ハゲてデブになってしまえ立!!」


冴はいきなり怒鳴って、自分の部屋のドアを思いっきり閉めた。
それを聞いた唯は大爆笑。


「ハゲてデブになってしまえ。だって!!」

「…笑い過ぎですよ?俺、今呪いの言葉を掛けられたんですからね?」


立は唯に冷静にツッコミを入れながらも、いつもの様に悪態をつく冴にどこかホッとした。

< 54 / 158 >

この作品をシェア

pagetop