キミを想う。

「勉強会」




どうしたらいいか分からないまま朝を迎えた。


「はぁー…。瀬野くん、もう来てるよね」


独り言を呟きながら恐る恐る教室を覗く。


やっぱり、もう来てる。


意外と瀬野くん、いつも早いんだよね。


逃げられないのでドキドキしながら席へと向かう。


何で隣の席なんだろう…。


嬉しいけど、今は辛い。



「あ、ゆず。おはよ」


「お、おはようございます…」


チラッと瀬野くんに視線を向けて、すぐ黒板の方へと視線を逸らしながら席に着く。



「昨日は加穂が迷惑かけたみたいで悪かった」


「えっ!?あ、ううん。だ、大丈夫」


いきなり加穂さんの話題を振られ心臓がドキッと鳴るが、「郁斗!」と三和くんが瀬野くんを呼んで助かった。



< 120 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop