キミを想う。



「郁斗やノブも?苦手なタイプじゃなかった?」


「んー…、そうなんだけど。話してみたら大丈夫だった…かな?」



「そうなんだ」


「あ、でも、全然会話らしい会話は出来ないんだけどね」


本当に一緒にいるだけっていう感じだし。



「それでも進歩してるじゃん!」


「…そうかな?」


「うん!なかなか友達作れなかったのに、郁斗たちと友達になってんじゃん!」


「うん…」



"友達"



その言葉の響きにちょっと頬が緩む。



「まぁ郁斗たちと友達になったっていうのはびっくりだったけど」


「…ははっ」


苦笑気味に笑う。


私だってびっくりだよ。



「菜々子!どこ行きたいんだよ?」


「カラオケ!」


「好きだよなー…」


呆れ顔の瀬野くんはまた前を向いて歩き続けた。




< 54 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop