キミを想う。



…あ、瀬野くんだ。


携帯を弄りながら電車に乗り込む瀬野くんを見つける。



「菜々ちゃん、あっち」


「えっ?…あ!郁斗!」


私の指差す方に瀬野くんを見つけた奈々ちゃんはパァと表情が明るくなった。



「あれ?でも…」


「ん、なに?」


「ううん!!何でもない!」


慌てて菜々ちゃんに手を横に振る。



定期の駅ってあっち方面だったっけ?


瀬野くん、家と反対方面の電車に乗った?



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