【完】好きじゃないもん!


--数学の問題ごときでドヤ顔すんな。

 

 明日、昼休みに曲あわせするぞ。


 中庭で待ってる。--




「ふふっ・・・よかったね、未瑠。」

「え!・・・由宇か。」


私と直の会話の一部始終を聞いていたらしい由宇が微笑んだ。



「好きなんでしょ?直君のこと。」

「・・・ばれてたの?」


いつもは、かわいい由宇が少し大人びた顔になった。


「未瑠を見てれば分かるよ。」

「うん・・・。って、彼と帰るんじゃなかったの?」


私は、この質問をしたらだめだったのかもしれない。


「もう、いいの。」



そういう由宇の目から一筋の涙が伝った。


「由、宇?」




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