【完】好きじゃないもん!


「未優は...もう、吹っ切れたからいいのよ。」


ぼそっとつぶやいて夕焼けに染まった窓の外を見た未優。


悲しそうに笑っていた。


聞いちゃだめな...深く入り込んじゃだめなそんな気がして何にもいえなかった。



「腫れてるわね?...使いなさい。」


私の手にヒヤッとした感触が走る。


氷の入ったビニール袋だった。


「っふ。...もしかして未優のお手製?」


「そ...そんなわけないでしょう!」


でも、分かった。


未優の手が少しだけぬれていて赤くなっていたことに。


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