愛して。【完】





あのね、あんた達。


確かに、あたしが勝手に出て行った。


それは、悪かったかもしれない。


だけど、あたしは探してほしいなんて言ってないし。


あの男から助けてくれたのは助かったけど。


助けてくれたのは、光だし。


お礼なら、光に言う。




「それで、さ。何に対して、そんなに怒ってるわけ?」




そう言って、4人の顔をぐるっと見渡す。


この部屋に入ってまだ立ったままのあたしとは対称的に、ソファーに座っている4人。


1人掛けの黒ソファーに偉そうに座っている蓮に、2つある3人掛けの白ソファーの一つを共有してる、ブスッと煙草を吸ってる大河とまだ怒りが収まって無さそうなタカ。


そして、もう一つの3人掛けソファーに一人で大人しく座っている隼。




「何って、」




ふと、タカが呟くように言った言葉を遮る様に口を開いた。




「何?え?


光と虎太郎に怒鳴ったこと?
タバコ吸ってたこと?
勝手に出てったこと?
街に行ったこと?
男と遊んでたこと?
男に連れてかれそうになったこと?


どれに怒ってんの」










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