レジェンドは夢のあとに【8/18完結】


経験上わかっている。


欲しいものは、そう簡単には手に入らない。





「…非常に申しあげにくいんですけども」

あたしは、財布から名刺を取り出した。
林田さんから与えられた、安っぽい名刺。


「あん?」

金髪がイライラした様子で、乱暴にあたしの手から名刺をもぎ取った。


あ…取られちゃった。


仕方なくもう一枚取り出す。
今度は赤髪に奪われる。



…あ、あの、そうじゃなくて。





「あ、あの実は…」

「ブルーバードじゃねぇか!」




あたしの言葉はあっさりと遮られた。
金髪と赤髪がハイタッチを交わす。

金髪が態度を一転、にやにやした目であたしを見てきた。



「女子高生かと思ったら、ねーちゃんスカウトマンだったわけね。まじラッキーだわ」

「あ、あの…いやその…」


勝手に盛り上がる二人に、あたしは覚悟を決めて、きっぱりと言った。







「お、おたくのベースを頂きたいんです!!!」













< 85 / 226 >

この作品をシェア

pagetop