レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
経験上わかっている。
欲しいものは、そう簡単には手に入らない。
「…非常に申しあげにくいんですけども」
あたしは、財布から名刺を取り出した。
林田さんから与えられた、安っぽい名刺。
「あん?」
金髪がイライラした様子で、乱暴にあたしの手から名刺をもぎ取った。
あ…取られちゃった。
仕方なくもう一枚取り出す。
今度は赤髪に奪われる。
…あ、あの、そうじゃなくて。
「あ、あの実は…」
「ブルーバードじゃねぇか!」
あたしの言葉はあっさりと遮られた。
金髪と赤髪がハイタッチを交わす。
金髪が態度を一転、にやにやした目であたしを見てきた。
「女子高生かと思ったら、ねーちゃんスカウトマンだったわけね。まじラッキーだわ」
「あ、あの…いやその…」
勝手に盛り上がる二人に、あたしは覚悟を決めて、きっぱりと言った。
「お、おたくのベースを頂きたいんです!!!」