鳥籠の中の少女

ありがとう

Side--Hiyu



翌日の朝、部屋から出て、階段を下りてきたら、お母さんが忙しなく走り回っていた。



「おはよう。お母さん」



「あ!緋結、おはよう。ご飯はテーブルにあるから食べてね」



私の声に気付いて立ち止まって、テーブルを指差したお母さんは、それだけ言うと洗濯物の入った籠を持って、階段を上って行った。



私は、テーブルに置いてある朝食の前に座って、『頂きます』と言って食べ始める。



あれから昨日は、唯人のお母さんと泣きながら話した。



帰ったら6時で、お母さんは30分程して仕事から帰ってきた。



家に帰ってからも泣いてた私は、泣き腫らした目でお母さんに会うと驚かれた。



驚かれるのも仕方ないけど、その後、お母さんまで『良かった....』って言いながら、泣いたから困ったものだ。



それだけ、心配していたのだろう。



笑う事も泣く事も怒る事もしなくなった私が、数年ぶりに泣いていたのだから。



心配掛けてたんだわ。



私って馬鹿。



自分の事しか考えてなかったのだから。



唯人にどうすれば、償えるか。



ずっと、それだけを考えて生きてきたのだから。



周りの人達がどれだけ心配していたか、全然気付いていなかった私は本当に馬鹿だ。



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