勇者がいた33日間(お休み)



「これで上手くいくのかな~?」

「失敗したら私は安藤君を呪います。」

「矢野先輩は完璧だったすよ。
成功しますって!」

「教室に戻りますか。」



僕たちは生徒会室ではなく、教室へ戻る。

教室へ戻るというよりは、3年生の教室前を歩くのが目的だ。


 やっぱり、久々のケンカは
 キツかったかな


やっぱり2年のブランクはケンカの勘を鈍らせ、安藤君ほどではないけど僕も少しは傷を負った。

切れた唇がヒリヒリする。



「黒田、大丈夫?」

「えっ、あっはい。」



原田輝は自分の唇を指しながら言った。

僕は、まさか原田輝が心配してくれるなんて思っていなく、ぎこちない返事を返した。


 急に優しくなるなんて…
 絶対何かある…!!


こう見えても、僕は意外と疑り深い人間です。

昔の嫌な思い出があるからね…。



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